展覧会詳細

特別展 珠玉の湖東焼

開催日2016年10月1日(土)〜2016年12月11日(日)
滋賀県立陶芸の森陶芸館

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【展示概要】

 湖東焼は、江戸時代後期に小江戸情緒が漂う城下町・彦根城下で、華開いたやきものです・・・・・・。
 文久12(1829)年に城下の商人・絹屋半兵衛らが開窯したことに始まります。しかしその後、彦根藩第12代藩主・井伊直亮の治世に、天保13(1842)年に藩へ召し上げとなり、彦根藩の藩窯(御用窯)となりました。
 高級品生産を目指して、瀬戸、九谷、京焼、有田などから陶工を招きます。また、若い陶工の育成にも力が注がれたことが知られています。磁器を中心に染付、赤絵金彩、青磁、色絵、金欄手(きんらんで)などの繊細で華やかな逸品が数多く焼成されました。

 茶の湯をたしなみ、自らも作陶したことで知られる第13代藩主・井伊直弼の頃に、湖東焼は黄金期を迎えました。民衆の生活にも陶磁器が広まった江戸時代後期には、各藩の殖産興業を背景にして、日本各地に新しい開窯しましたが、中でも湖東焼は特に優品を焼成したことで知られています。しかし最大の庇護者であった藩主・井伊直弼の死、そして廃藩置県を経て、湖東焼は衰退の途をたどりました。再び民窯に払い下げとなり、
ついには明治28(1895)年廃窯となりました。

 それを惜しむ人々は多く、短い期間ではありましたが、湖東焼の再興をめざして「圓山湖東焼」や「長浜湖東焼」が興され、湖東焼の文人趣味の作風を守り、優品がつくられました。
 本展は、名品約170点を通じて湖東焼の全貌を紹介します。その珠玉の世界をお楽しみください。

【会 期】

平成28年10月1日(土)~12月11日(日)
 ※会期中に一部展示替えを実施いたします。  第Ⅰ期:平成28年10月1日(土)~11月6日(日)
 第Ⅱ期:平成28年11月8日(火)~12月11日(日)
〔休 館 日〕月曜日 (ただし10月1日(土)~10月23(日)まちなか芸術祭会期中は休まず開館します)
〔開館時間〕9時30分~17時(入館は16時30分まで)

【観 覧 料】

一般700円(560円) 高大生500円(400円)  *(  )内は20名以上の団体料金
※中学生以下および、身体障がい者手帳・療育手帳・精神障がい者保健福祉手帳をお持ちの方と介護者(1名)は無料

【主 催】

公益財団法人 滋賀県陶芸の森、京都新聞

【後 援】

滋賀県教育委員会、甲賀市、彦根市、彦根市教育委員会

 

展示構成

黄金時代の湖東焼

文化12(1829)年に絹屋半兵衛らが彦根城下に開窯した湖東焼は、天保13(1842)年に彦根藩第12代藩主・井伊直亮の治世に彦根藩の藩窯(御用窯)となった。高級品生産を目指して、瀬戸、九谷、京焼、有田などから優秀な陶工を集め、優れた陶磁器が作られた。

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湖東焼「染付雲龍水禽図釣瓶形花生」
制作年代:江戸時代後期(19C)
所蔵先:個人蔵

Bravo! 絵付師

藩窯では、優れた絵付師たちが活躍したが、中でも客分待遇で招かれた鳴鳳と幸斎は凄腕の絵付師だった。また安政3(1856)年に、普請方の許可を得て民窯で湖東焼の素地に絵付けをして、中仙道沿いなどで販売した絵付師の自然斎、賢友、床山玉侊、赤水の4人の絵付師も競うように名品を生み出した。

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湖東焼・鳴鳳絵付け「色絵金銀彩葵神事図鉢」
制作年代:江戸時代後期(19C)
所蔵先:個人蔵
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湖東焼・自然斎絵付け「色絵金彩狸置物」
制作年代:江戸時代後期(19C)
所蔵先:埋木舎 蔵

蒐集された湖東焼

江戸時代の国焼の中でも、特に優品を焼いたことで知られる湖東焼は、後世の多くの蒐集家や茶人たちに好まれた。また明治期に開学した芸術大学や地方の博物場でも、湖東焼が参考品として収蔵されている。本章では現在も日本各地に残る名品を紹介する。

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湖東焼「褐釉蟹形蓋物」
制作年代:江戸時代後期(19C)
所蔵先:東京藝術大学 蔵
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湖東焼「染付農耕図水壺」
制作年代:江戸時代後期(19C)
所蔵先:滴翠美術館 蔵

湖東焼の茶道具

大名茶人として知られた藩主・井伊直弼は、茶の湯を修業し茶書『茶湯一会集』を執筆したことで知られる。江戸や彦根でたびたび茶会を催し、時には井伊家伝来の茶道具と共に、湖東焼を使用した。また江戸時代後期には、文人趣味の広まりと共に煎茶〔文人茶〕が流行した。湖東焼でも多くの煎茶具が焼かれた。また彦根城の別邸・槻御殿の楽々の間には煎茶席が設けられていたと考えられている。

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湖東焼「染付名花十友図水注」
制作年代:江戸時代後期(19C)
所蔵先:大津市歴史博物館 蔵
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湖東焼「色絵笹鼠図茶碗」
制作年代:江戸時代後期(19C)
所蔵先:滋賀県立陶芸の森陶芸館 蔵

コラム展示【かわいい湖東焼】

江戸時代後期に流行した様々なやきものの作風をとり入れたことから、多種多様な作風を持つ湖東焼。繊細な筆使いで美しく文様が描かれ気品にあふれています。しかし中には現代人の眼で見ると、思わず「かわいい!」とつぶやきたくなる器もあります。そんなかわいい湖東焼を学芸員の独断で選んで見ました。

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湖東焼「色絵鶴亀図水指」
制作年代:江戸時代後期(19C)
所蔵先:彦根藩湖東焼たねや美濠美術館 蔵
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湖東焼・可水「色絵草花文茶碗」
制作年代:江戸時代後期(19C)
所蔵先:彦根藩湖東焼たねや美濠美術館 蔵

 

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