展覧会情報
展覧会情報 >> 「特別企画展-近江に花開いたやきもの街道とともに」
3月1日(火)~4月17日(日)まで開催しました。
「特別企画展-近江に花開いたやきもの街道とともに」
3月1日(火)~4月17日(日)まで開催しました。

1.趣 旨
中央に琵琶湖を擁し、周囲の山野が四季折々に美しい景観をみせる湖国近江。かつての都、奈良や京への玄関口であったこの地は、古くから"みち"が縦横に巡る街道の国でもあります。人々の往来とともに文物が行き交い、特色ある街道文化が育まれてきました。
近江のやきもの文化も、そのひとつといえるでしょう。東海道の膳所焼・梅林焼・姥ケ餅焼・石部焼、西近江路の湖南焼・比良焼・杣山焼、また中山道や朝鮮人街道の小冨士焼・湖東焼など...。交通網が整備され商品経済が発達した近世には、城下町や門前町、宿場といった"まち"を中心に町人文化が発展し、各地に個性豊かな陶窯が開かれました。
また、他にも湖北から北陸に向かう北国街道には長浜湖東焼があり、伊勢神宮から多賀大社へ向かう御代参街道には、近江(日野)商人ゆかりの友斎焼などの陶窯が存在しました。中世古窯の伝統を現代に継承する信楽焼は、紫香楽宮造営の際に整備された古道、信楽道を通して近隣地域に流通し、今日も日本を代表する陶産地として広く知られています。
長く地域の人々の暮らしとともにあった、近江の街道とやきもの。本展では、近江の街道をキーワードに、湖国のやきもの文化を見つめ直しながらそれぞれの魅力に迫ります。
2.主 催
滋賀県立陶芸の森
3.後 援
滋賀県教育委員会 甲賀市 近江歴史回廊推進協議会
4.会 期
平成23年3月1日(火)~4月17日(日)の42日間
〔開館時間〕午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
〔休 館 日〕週月曜日:3月21日(祝)開館、翌日3月22日(火)振替休館
5.観覧料
一般450円(360円)、高大生300円(250円)
中学生以下無料 ( )内は20名以上の団体料金
6.会 場
滋賀県立陶芸の森 陶芸館
〒529-1804 滋賀県甲賀市信楽町勅旨2188-7
TEL.0748-83-0909 FAX.0748-83-1193
7.関連行事
ギャラリートーク 平成23年3月20日(日)、4月10日(日)
各日程とも13時30分から(1時間程度)
展示構成
下記の展示構成で近江の街道と陶窯をテーマに作品約120件を紹介
第Ⅰ部東海道のやきもの 膳所焼・梅林焼・瀬田(門平)焼・姥が餅焼・石部焼・水口焼
東海道は都と東国を鈴鹿の関経由で結ぶ官道として古代から整備され、近世には江戸起点とする幹線道・五街道に定められました。日本橋から京三条大橋まで五十三宿、近江には土山・水口・石部・草津・大津に宿場が設けられています。街道沿いの膳所藩領内では、茶陶で知られた膳所焼、その系譜を継ぐ梅林焼や瀬田(門平)焼が焼造されました。また、宿場とその付近には、草津宿(矢倉立場)の名物に由来する姥ケ餅焼や石部宿の豪商が開窯した石部焼、水口大徳寺の僧が楽焼で茶陶を作陶した水口(光阿)焼などがあります。

石部焼「染付風月居詩文四方皿」江戸時代後期(天保年間)
第Ⅱ部中山道のやきもの 小冨士焼・湖東焼・圓山湖東焼〔・小幡人形〕
中山道はもとは東山道と呼ばれ、不破の関経由で都と東国を結ぶ古代官道として整備されました。近世には東海道と同様に五街道に定められ、江戸板橋から守山まで六十七宿、近江には守山のほか、柏原・醒ヶ井・番場・鳥居本・高宮・愛知川・武佐に宿場が設置されています。街道沿いの野洲には小冨士焼があり、朝鮮通信使が通った朝鮮人街道が城下を通る彦根では、彦根藩の藩窯湖東焼が焼造されました。また、彦根藩領内の鳥居本と高宮では湖東焼の絵付師が、藩窯の素地に絵付けを施し、旅の土産物として販売しています。

湖東焼・自然斎絵付「赤絵金彩山水図香爐」江戸時代後期(19c前半)
■郷土玩具として親しまれたやきもの(小幡人形)
小幡人形は近江を代表する郷土玩具のひとつ。享保年間(1716-1735)に小幡(現・東近江市五個荘)で飛脚業を営む初代安兵衛が、京都・伏見人形の技術を習得して創業したと伝えられています。中山道と御代参街道の分岐点として賑わった小幡の地で、街道の土産物や節句の飾りとして親しまれてきました。色鮮やかな原色を多用した泥彩が特徴で、作風には伏見系と小幡で独自のものがあります。最盛期の明治時代には4、5軒が製作していましたが現在は細居家が残るのみ。現在は九代・源悟氏がその伝統を継承しています。

小幡人形
第Ⅲ部西近江路のやきもの 湖南焼・唐崎焼・比良焼・臨湖焼・通庵焼・杣山焼
西近江路はかつて北陸道と呼ばれ、都から琵琶湖西岸を通り愛発の関を経て日本海沿岸諸国を結ぶ古代官道として整備されました。近世には衣川・ 和邇・木戸・北小松・河原市・今津・海津に宿場が設置されています。街道沿いには近江八景に数えられる景勝地が多く、唐崎焼や比良焼、臨湖焼など琵琶湖や八景に因んだ印銘を施したやきものが伝世してきました。その他にも、京焼の名工・永楽保全が三井寺円満院門跡の援助を受けて製作した湖南焼、また大溝藩の保護を受けて焼造されたという杣山焼などが知られています。

唐崎焼「染付老松文共蓋芋頭水指」江戸時代後期(19c前半)
第Ⅳ部北国街道と御代参街道・信楽道のやきもの 信楽焼・長浜湖東焼・友斎焼
北国街道は中山道鳥居本から、米原・長浜・木之本・柳瀬・椿坂・中河内の宿場を経て北陸へ向かう近世の街道。なかでも大通寺の門前町、また湖上交通の要衝として栄えた長浜には、長浜商人の支援で西村杏屋が開窯した長浜湖東焼がありました。伊勢神宮や多賀大社への参詣路であった御代参街道は、東海道と中山道を結ぶ近世の脇街道。街道筋の宿場・日野では日野商人・正野友斎が茶陶を作陶しています。また、近江と伊賀や南山城を結ぶ古道、信楽道は中世以来信楽焼の形成と流通に関わり産地の発展を支えてきました。

長浜湖東焼「盛絵花貝殻文盃洗」江戸時代後期-明治時代前期(19c後半)



