展覧会情報
展覧会情報 >> 特別展「しがらきやき-直方の茶陶 春斎の壺-」平成22年9月18日(土)~12月12日(日)まで展覧しました。
たくさんのご来園、ありがとうございました。
特別展「しがらきやき-直方の茶陶 春斎の壺-」平成22年9月18日(土)~12月12日(日)まで展覧しました。
たくさんのご来園、ありがとうございました。

1.趣旨
五代上田直方(1928- )と髙橋春斎(1927- )は、焼締陶、穴窯焼成による信楽焼の伝統技法を守りながらも、独自の感性を盛り込んだ作品を制作する現代信楽焼の二大巨匠です。
直方系譜は、幕末・明治期に活躍した谷井直方に始まり、その号を継承した二代上田直方より代々茶陶の制作を中心に行ってきました。五代目となる直方は、若い頃より茶道の修業を重ね、茶人としての顔も持ちます。豊かな感性から生み出された茶陶は、趣とあたたかみを兼ね備え、現代の信楽茶陶を代表するものです。
また春斎は幕末に活躍した髙橋藤左衛門を初代とする楽斎系譜の窯屋に生まれ、父である三代髙橋楽斎のもとで陶技を習得しました。独特の信楽大壺をはじめ、食の器など様々な器を制作してきました。試行錯誤のもとに生み出された「火色」「窯変」は、最大の魅力といえるでしょう。
直方は平成3(1991)年に、春斎は平成7(1995)年に、それぞれ滋賀県指定無形文化財保持者に指定され、多くの後進作家たちにも影響を与えています。
本展では、信楽焼を代表する五代上田直方と髙橋春斎のこれまでの作陶活動を回顧します。信楽焼の多彩な魅力を改めてご堪能ください。
2.会 期
平成22年9月18日(土)~12月12日(日)
※この展覧会は「信楽まちなか芸術祭」の関連事業として開催します。
3.休館日
・9月18日~9月30日および11月24日~12月12日の期間は毎週月曜日休館
〔ただし9/20(月・祝)は開館し、翌日9/21(火)は振替休館〕
・10月1日~11月23日「信楽まちなか芸術祭期間中」は無休
4.会 場
滋賀県立陶芸の森 陶芸館展示室
2館で1,280円(通常1,600円)
5.展示内容
五代上田直方と髙橋春斎の作品点数 約160点
<展示構成>
上田直方- Ⅰ子どものころ・若いころ・直時代/ Ⅱ直方の茶陶/ Ⅲ数奇者の横顔/ Ⅳ直方茶陶の今...
髙橋春斎- Ⅰ初めのころ/Ⅱ火色に魅せられて/Ⅲ窯変に挑む/ Ⅳ茶と華のやきもの/Ⅴ食と楽しみのうつわ/Ⅵ髙橋春斎の今...

上田直方
「信楽鬼桶水指」1972年(昭和47年)制作 滋賀県立陶芸の森陶芸館蔵
五代直方は茶陶つくりの名手として知られています。その真髄を学ぶため、自らも若い頃から茶の湯の修行にもはげみ、茶人としての顔も持ちます。
写真の「信楽鬼桶水指」は、室町時代後期から江戸時代初期にかけて茶人らに好まれた「鬼桶水指」をイメージして制作されました。信楽土独特の明るい火色が印象的な大振りの水指です。鬼桶水指とは、元は「苧麻(ちょま)」を水に浸してほぐすための道具「苧桶(おおけ)」を水指に見立てて使ったこと由来し、「おおけ」が転じて「鬼桶」と呼ばれるようになったといわれています。

上田直方
「海老の絵」1978(昭和53)年個人蔵
19歳の頃から茶道を修業し、茶人としての顔を持つ直方は、茶道を通じて、様々な日本文化に興味を持ちました。20歳頃から俳画を描き始め、陶器制作の合間に描いています。この作品は、北陸で茶会を催した長女のために描いた「海老の絵」。

上田直方
「皆具 銘:さざなみ」1974(昭和49)年個人蔵

上田直方
「飾茶壺 銘:三昧」1978(昭和53)年個人蔵

上田直方
「茶碗 銘:あさにけに」1964(昭和39)年個人蔵
「あさにけに」とは、朝も昼も、いつもという意味。この茶碗を窯出しした時に、色合い、かたちの自然なゆがみが思い通りであったことから、自分ながら惚れ惚れしたといいます。「こんな茶碗で朝から晩までお茶をいただけたら最高」という気持ちから名付けられました。

髙橋春斎
「信楽しのぎ大壺」1993年(平成5年)制作 滋賀県立陶芸の森陶芸館蔵
髙橋春斎は幅広い器種のつくり手として知られていますが、中でも壺の制作を得意とします。穴窯焼成による焼締陶の美しい火色や自然釉の流れ、灰かぶりなど「窯変壺」の世界が春斎作品の一番の魅力といえるでしょう。それは長年の経験と熟練の技の結集によって創り出してきました。写真の「信楽しのぎ大壺」は、春斎が得意とするかたちで、壺の表面を篦で掻き取って刀の鎬(しのぎ)のような稜線を出す技法で形作られています。少し黄味がかった「火色」の壺に、腰部あたりから「灰かぶり」が見える見所の多い壺です。しのぎの線とあいまって、凜とした美しさを醸し出しています。

高橋春斎
「炭化肩衝壺」1999(平成11)年個人蔵

高橋春斎
「窯変砧花入」1990(平成2)年個人蔵

髙橋春斎
「窯変丸壺」1997(平成9)年森島正彦氏蔵
春斎の作品は、信楽焼は実は非常に多彩なやきものであることを見る者に伝えてくれます。黄茶色の自然釉が肩部から丸壺全体に無数の条を描きながら流れ、幻想的な雰囲気さえ漂う作品です。信楽窯変の新機軸を示す作品。

髙橋春斎
「窯変菱口花器」1997(平成9)年 個人蔵
6.主 催
滋賀県立陶芸の森、京都新聞社
7.後 援
滋賀県教育委員会、甲賀市、信楽陶芸トリエンナーレ実行委員会、BBCびわ湖放送
8.観覧料
一 般 600円(480円)
高大生 450円(360円)
中学生以下無料
*( )内は20名以上の団体料金
9.関連行事
(1)ギャラリー・トーク(学芸員による展示解説)
日時:10月10日(日)、11月3日(水・祝)各日とも13時30分から(1時間程度)
参加料・申込不要(ただし当日の入館券が必要)
(2)一般向け体験講座②(穴窯体験講座 上級)
「信楽大壺を作る」
日 時:10月16日~17日(2日間) 10時~16時まで
講 師:髙橋春斎氏(陶芸家・滋賀県指定無形文化財保持者)
*定員満員のため受付終了しました。
(3) 一般向け体験講座①(穴窯体験講座 中級)
茶懐石の器を作る 手付き鉢」
日時:10月30日(土) 10時~16時まで
講師:五代 上田直方氏(陶芸家・滋賀県指定無形文化財保持者)
参加費:8,500円 定員:20名
*定員満員のため受付終了しました。
(4)子ども向け体験講座(世界にひとつの宝物づくり特別講座)
「伝統の信楽焼を作ろう!」
日時:11月14日(日) 10時~15時まで
講師:六代 上田直方氏(陶芸家)
参加費:子ども1,200円、高大生1,680円、一般2,280円
事前申込が必要 〔〆切日11/4(木)まで〕
10.問い合わせ先
滋賀県立陶芸の森(担当-学芸課 大槻まで)
滋賀県甲賀市信楽町勅旨2188-7
電話:0748-83-0909(陶芸の森代表)/0748-83-0968(学芸課直通)
ファックス:0748-83-1195



