アーティスト・イン・レジデンスを視点として 「信楽から世界を見る 世界から信楽を見る」
このワークショップでは、過去に陶芸の森にアーティスト・イン・レジデンスで滞在しており、その後の活動に実績がある作家7名を同時期に招へいし、陶芸の森で1ヶ月に渡り制作を行った。完成した作品については、陶芸の森のギャラリーで展示もおこなう他、アーティスト・トークを9月11日、12日に開催し、制作者の立場で自らの国の現代陶芸を巡る状況について話してもらい、若手陶芸家や参加者間での相互理解を深める機会とした。
このワークショップ、アーティスト・トークと併せて、世界各国のアーティスト・イン・レジデンス事業実施機関等が集うシンポジウムを開催した。
このシンポジウムでは、アーティスト・イン・レジデンス機関関係者とそこに滞在した日本人陶芸家の双方向のレポートを聞くことで各国のレジデンスの現況を把握することをとおして、陶芸をテーマとする各地のレジデンスのグローバルなネットワーク化を進めた。
具体的には、陶芸の森のレジデンスの受入ですでに実績のあるアトリエ・ダール(フランス)や台南芸術大学(台湾)。また、陶芸の森のレジデンスを通して陶芸家の行き来のあるアーチー・ブレー・ファウンデーション(アメリカ)や、ヨーロッパ陶芸ワークセンターEKWC(オランダ)との間で陶芸家の受入、派遣に関する連携の強化を図るきっかけとすることができた。また、国際的な陶芸家の団体である、国際陶芸アカデミーや、アメリカンクラフト・カウンシルの関係者から各団体のレジデンス事業支援に関する考え方を聞くことができた。
今回のワークショップ、シンポジウムの開催を機に海外に日本人の陶芸家を派遣するシステムの構築など、具体的なネットワークづくりを進めることにより、陶芸の森は、歴史ある日本の文化の一つである陶芸をテーマに海外との交流、日本からの発信をさらに充実させることができ、その結果、陶芸の森が陶芸をテーマとしたレジデンスのハブ機能を持つ拠点機関としての役割を果たすことが可能となると考える。
ワークショップ:平成27年(2015年)8月中旬~9月中旬
シンポジウム:平成27年(2015年)9月9日、10日の2日間
アーティスト・トーク:平成27年(2015年)9月11日
町内見学「信楽タイムトラベル」:平成27年(2015年)9月12日
ワークショップ:滋賀県立陶芸の森 創作研修館第2スタジオ
シンポジウム及びアーティスト・トーク:滋賀県立陶芸の森 甲賀市立信楽産業展示館ホール
作品展示:滋賀県立陶芸の森内ギャラリー
主催:公益財団法人滋賀県陶芸の森
後援:滋賀県、甲賀市、IAC国際陶芸アカデミー、公益社団法人日本陶磁協会、東洋陶磁学会、信楽陶器工業協同組合、信楽陶器卸商業協同組合、甲賀市商工会、信楽陶芸作家協会、
助成:文化庁「平成27 年度 文化庁 文化芸術の海外発信拠点形成事業」
吉野石膏美術振興財団
陶芸関係者等:165人
招へい者:海外から陶芸家、レジデンス関係者等 16人
国内在住の陶芸家、評論家 9人
計 25人