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静中動:韓国のスピリットをたどる
-開かれた陶のアート

2022年09月17日(土)~ 2022年12月18日(日)
  • 期間:
    2022年09月17日(土) - 2022年12月18日(日)
  • 場所:
    滋賀県立陶芸の森 陶芸館
  • 入館料:
    一般 750円(600円)/高大生 560円(450円)/中学生以下無料 *( )内は 20 人以上の団体料金
  • 主催:
    滋賀県立陶芸の森、京都新聞
  • 監修:
    東京藝術大学美術学部教授 片山まび氏
  • 後援・協力:
    後援:駐日韓国文化院、滋賀県教育委員会、甲賀市、NHK大津放送局

    協力:甲賀市国際交流協会、在日本大韓民国婦人会滋賀県地方本部、京セラ株式会社
  • 協賛・助成:
    協賛:山田牧場

    助成:
    ARTS for the future2!

    ノエビアグリーン財団

 激変する歴史の中で他文化と交流しながら、独創的な世界観を生み出した韓国アート界は、静の中に潜められる動のエネルギー、「静中の動」の精神が垣間見える。とりわけ、人・文化の交流を通じた変容によって新たな美が生まれる一方、その動きの中で相対的に浮かび上がるアイデンティティや、変容の動きのなかでも変わらない伝統の精神性なども根底にうかがえる。その精神性の一つの代表例として挙げられるのが、朝鮮白磁の「満月壺(MOON JAR)」である。この満月壺は近年ジャンルを問わず、韓国のアーティストたちに通底する美・文化のキーワードとしてたびたび登場する。
 本展では、静中動の視点から伝統を踏まえて、様々な表現・理論へと展開された韓国アート、主に陶を素材にした作品を中心に紹介し、その根底にある精神性と魅力に迫る。

【展示構成】

序 章 「精神性の根源」: 時を越えて見出されるもの

 本章では、古くから暮らしと結びついていた「甕器」から「青磁」、「粉青沙器」、「白磁」まで韓国を代表する伝統的なやきものを紹介する。現代作家に影響を与えた韓国を代表する伝統的なやきものを関東地方の名品を中心に、写真家・藤本巧氏による1970年の韓国風景写真および、映像監督・Marty Grossの編集による甕器づくりの映像(11月中旬より上映)も併せて紹介することで、韓国現代陶芸のルーツをたどる。

<出品作品>
愛知県陶磁美術館、愛知県美術館、出光美術館、日本民藝館、大和文華館、早稲田大学會津八一記念博物館の名品、写真家・藤本巧の風景写真、Marty Gross映像

 

※転写禁止

《白磁壺》
朝鮮時代(18世紀)
日本民藝館所蔵
H32.7cm×MD12.5cm

 

※転写禁止

《青磁陰刻牡丹唐草文瓢形水注・承盤》
高麗時代12世紀-13世紀前半
出光美術館所蔵

 

※転写禁止

《粉青刷毛目鉄絵文俵壺》
朝鮮時代15世紀後半-16世紀前半
日本民藝館所蔵
H24cm

 

第1章 「静」: 静に潜められた動のエネルギー

 この章では、伝統の継承と現代化を試みる現代作家による代表的な作品を紹介。とくに2000年以降、ジャンルを問わず、中堅から若いアーティストたちに通底する美・文化のキーワードとして用いられている「満月壺」の魅力とは何なのか。本章では、近年再び「伝統」を造形言語として援用する作家の動きから、「伝統」を多角的な方法でアプローチして独自に再創造していく作家10人を紹介し、そこに潜められた精神性について探る。

<出品作品/作家>
具本昌(写真)申相浩、李秀鐘、李康孝、裵泳和、劉炳豪、尹柱哲、尹豪浚、金愛榮、李寶那

 

※転写禁止

《Moon Jar》
李 秀鐘 (Ree, Soo jong)
2018年
滋賀県立陶芸の森陶芸館蔵
H40cm×D37cm

 

※転写禁止

《粉青山水》
李 康孝(LEE, Kang hyo)
2014年
個人蔵
各サイズ:H125cm×W32cm×D奥行4cm(×4点)

 

※転写禁止

《Pivot series 瀬戸際の風景3》
金愛榮(KIM, Ye young)
2022年
各H28cm×W10cm×D10cm(×3点)

 

第2章 「中:関係性」 ― 物と空間、絵画と立体、韓国と他国

 戦後、陶芸のジャンルで「立体造形・オブジェ」が注目される一方、1970年代には、日本で自然物や未加工の物質・物体〈もの〉を提示して空間との関係性を探る動向「もの派」が登場し、1980年代の韓国のモノクローム=単色画(タンセッファ)にも影響を与えている。
 本章では、国内外で注目されている「もの派」の理論的支柱である李禹煥、平面と立体の中間的な存在で新たな陶芸を拓いた李承煕の作品を通じて、「やき・〈もの〉」という存在について問いかける。

<出品作家>
李禹煥(絵画)、李承煕

 

※転写禁止

《黙 4》
李禹煥(LEE, U fan)
2006年
滋賀県立美術館所蔵

 

※転写禁止

《Tao_Kyoto(13)》
李承煕(LEE, Seung hee)
2018年
MUSEUM李朝所蔵

 

※転写禁止

《Tao_Kyoto(15)》
李承煕(LEE, Seung hee)
2018年
MUSEUM李朝所蔵

 

第3章 「動」- 動きの中で浮かび上がるアイデンティティ

 1950年以降、韓国の芸術界では、自らの出自を探る動きが継続的に認められるが、現代陶芸では1970年代から表現手段として本格的に用いられはじめた。1990年代には、多くの美術大学に陶芸科が創設されたほか、国内外の公募展も開催され、また日本やアメリカなどに留学した世代を軸に、多彩な立体造形・オブジェの作品が展開した。
 本章では、国や文化圏を越えた交流の中で作家が獲得した新たな表現手段により、相対的に浮かび上がるアイデンティティに着目したい。

<出品作家>
元慶煥、禹寬壕、林美岡、金鉉淑、呂宣九、玄尚哲

 

※転写禁止

《地表から》
元 慶煥 (WON, Kyung hwan)
1991年
滋賀県立陶芸の森陶芸館蔵

 

※転写禁止

《一万個のプレゼント》
禹 寬壕(WOO, Kwan ho)
2014年
滋賀県立陶芸の森陶芸館蔵
(アクリルケースのサイズ)
H59cm×W59cm×D5cm

 

※転写禁止

《瞳の世界》
呂 宣九(YUH, Sun Koo)
2018年
滋賀県立陶芸の森陶芸館蔵
H172cm×W65cm×D60cm

 

※転写禁止

《Contemplation》
林 美岡(LIM, Mi kang)
個人蔵

 

※転写禁止

《Soliloquy-独白(粒子と波動の二重性)》
玄尚哲(HYUN, Sang chul)
2020年
個人蔵

 

第4章 「静中動をこえて: いま、ここに」- 同時代の動きの中で

 本章では、同時代の動向に注目し、国内外で活動している5人の作家を紹介する。やきもを作り上げていく過程の時間性を可視化する作品をはじめ、東西の多様な図像を組み合わせて自身の物語性を主題にした作品、社会・人との関係をテーマにしならも各自の世界を隠喩的に表現した作品、または時間と空間を記憶する参加型のプロジェクト・リサーチによる作品を通じて、現在性を捉えていく。

<出品作家>
裵世眞、趙光勳、李玧姫、河明求、裵相順(絵画)、松井利夫(特別展示)

 

※転写禁止

《Monkey’s first_5》
裵相順(BAE, Sang sun)
2008年
個人蔵
charcoal and ink on canvas.
W148cm×D170.3cm

 

※転写禁止

《Happy Tiger》
河明求(HA, Myeong gu)
2021年
個人蔵
H23cm×W22cm×D15cm

 

※転写禁止

《瞑想》
趙光勳(CHO, Kwang-hun)
2018年
滋賀県立陶芸の森陶芸館蔵
H95cm×W65.5cm×D60cm

 

※転写禁止

《Waiting for Godot 324426-325556》
裵世眞(BAE, Se jin)
2022年
個人蔵

 

静中動:韓国のスピリットをたどる-開かれた陶のアートインターネット割引券

文字をクリックするとインターネット割引券が開きます。

静中動:韓国のスピリットをたどる-開かれた陶のアート

一般 : 750円 ⇒ 680円に割引!!

高大生:560円 ⇒ 500円に割引!!

中学生以下は、無料!!

上記リンクをクリックし、インターネット割引券をダウンロードして下さい。
画面もしくは画面を印刷した用紙の提示で、割引料金で入館いただけます。
(※高校生・大学生の方は必ず学生証をご提示ください。学生証のない方は一般料金となります。)

 

関連イベント

(1)本展監修者の片山まび氏(東京藝術大学美術学部教授)のスペシャル・トーク + アーティスト・トーク
【事前申込(9月17日より募集開始)】
・日時:11月6日(日)13時~15時30分
・場所:滋賀県立陶芸の森 信楽産業展示館 ホール

【お申込み】TEL. 0748-83-0968    FAX. 0748-83-1195
      E-mail mori-otoiawase@sccp.jp

(2) 親子向けのやきものワークショップ
本展出品作家・河明求氏の野焼きイベント
「未来へのおくりもの-はにわメッセンジャー」
(※参加者の完成作を作家の作品と併せて展示予定)
日程と場所
①制作 :8月6日(土) / 陶芸の森 信楽産業展示館 創作室
②焼成:8月21日(日)/  陶芸の森 窯の広場
※お問い合わせ先:世界にひとつの宝物づくり実行委員会 

(3)韓国の食と器:キムチとオンギ
うつわから食文化の魅力を伝えることを目的に、「キムチ壺:オンギ(甕器)」を制作。自身で漬けた「キムチ」を入れて持ち帰る体験講座。
  ※特別協力:甲賀市国際交流協会、在日本大韓民国婦人会滋賀県地方本部

① オリジナルのキムチ壺づくり
・日程と場所:10月9日(日)陶芸の森 信楽産業展示館 創作室
・講師:玄尚哲(本展・出品作家で、信楽在住の韓国人陶芸家)
※応募方法:陶芸の森 しがらき学応募フォーム

② キムチを漬けてみよう!【受付開始いたしました】
・日程と場所:11月26日(土) / 一般社団法人シガラキ・シェア・スタジオ
・講師:李 美姫(在日本大韓民国婦人会 滋賀県地方本部の会長)
  ※材料及び行事協力:しがらきマルシェ、在日本大韓民国婦人会
【お申込み】E-mail mori-otoiawase@sccp.jp

(4) ギャラリートーク(学芸員による展示解説) 
9月25日(日)、10月23日(日)、11月20日(日)
いずれも13:30~

(5) 地元企業協賛企画 山田牧場 POP UP SHOP! 
自慢の牛乳を使用した商品を陶芸館前にて販売。
・開催日:会期中の土曜日・日曜日・祝日 (雨天中止)

(6)本展と同時期に「朝鮮の工芸」をテーマにした展覧会が同時開催。
①日本民藝館(東京)
「柳宗悦と朝鮮工芸 陶磁器の美に導かれて」
(2022年9月1日-11月23日) 
  
②韓国文化院ギャラリーMI(東京)
『朝鮮とその藝術』刊行100周年記念
 柳宗悦の心と眼 ―日本民藝館所蔵 朝鮮関連資料をめぐって―
(2022年9月14日-10月1日)