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特別展「リサ・ラーソン展 知られざる創造の世界-クラシックな名作とともに」

2024年03月02日(土)~ 2024年05月26日(日)
  • 期間:
    2024年03月02日(土) - 2024年05月26日(日)
  • 場所:
    滋賀県立陶芸の森 陶芸館
  • 入場料:
    一般900円(720円)/高大生680円(540円)/中学生以下無料 *( )内は20人以上の団体料金
  • ギャラリートーク:
    2024年3月24日(日)⇒4月7日(日)へ延期・2024年4月28日(日)・2024年5月12日(日) ※各日とも13:30~⇒16:00~に変更

人物や動物、テーブルウエアなどスウェーデンの陶芸デザインで知られるリサ・ラーソン(1931年~2024年)の展覧会を開催します。おなじみの代表作とともに、今回初めて紹介されるスウェーデンの旧市街をモデルにしたレリーフや少数しか生産されなかったコレクターズアイテム、グスタフスベリ磁器工房やみずからの工房で制作した1点ものの作品などに、これまで知られていなかったもうひとつの彼女の魅力と出会える作品を約250点を展示します。

※転写禁止

リサ・ラーソン「小さなネコ」
1965年製造
個人蔵
©Lisa Lason/Alvaro Campo

※転写禁止

リサ・ラーソン「ネコのトラップ(トリップ・トラップ・トュルルシリーズ)」
1972-1974年製造(デザイン1968年)
リサ・ラーソン蔵
©Lisa Lason/Alvaro Campo

 

 

【本展の見どころ】
今回の展覧会は、「Seen and Unseen」をテーマとし、馴染みのあるリサ・ラーソンの名作とともに、これまで紹介されることのなかったリサ・ラーソンの作品で構成されています。スウェーデンのストックホルム旧市街の17世紀から18世紀の家屋をモデルにした作品や、未知なる動物など新たなリサ・ラーソンの魅力に出会えるユニークピース(一点物の作品)、さらに生涯にわたり影響しあったモダニズムの画家で夫のグンナル・ラーソンの作品を加えて、リサ・ラーソンの知られざる創造の世界を紹介します。

【1.リサ・ラーソンの名作たち】
リサ・ラーソンは長い作家人生の中で、シリーズ生産向けのデザインモデルを数多く手がけてきました。出来上がった製品は多くの人々の手に渡り、広く知られるようになったのです。本章では、数十年にわたって大規模に量産された作品だけでなく、少量のシリーズ生産だったため希少価値が高く今日のコレクターたちが探し求めているような作品なども紹介しています。これまで制作されてきた名作といわれる数々のシリーズを展示します。

※転写禁止

リサ・ラーソン「エンマ/ABC少女シリーズ」
本モデルは1958-1973年に製造。本作品は1971年に製造
グスタフスベリ磁器工房 リサ・ラーソン蔵
©Lisa Lason/Alvaro Campo

【2.筆書きの妙】
力強い筆さばきの装飾は、特にリサ・ラーソンがグスタフスベリで仕事をしていた1954年から1980年にかけて繰り返し作品に用いられました。

リサ・ラーソン「花器(ユニークピース)」
1968年頃
グスタフスベリ磁器工房 リサ・ラーソン蔵
©Lisa Lason/Alvaro Campo

【3.スウェーデンの家屋】
リサ・ラーソンがよく用いるモチーフとして動物や人物が挙げられますが、それらと並んで建物も頻繁に造形作品やレリーフのテーマとして取り上げられてきました。リサ・ラーソンは、昔の職人技や美学を思い起こさせる丁寧な装飾が施された古い家に興味を持ち続けてきたといいます。ストックホルムの最も古い建物が立ち並ぶ旧市街に、17世紀から18世紀に建築されたスウェーデンらしい家屋に目を留めモチーフとし、レリーフ作品≪旧市街≫を製造しました。その他の出品作品は、1980年代後半から1990年代前半にかけてスウェーデン労働組合の建築会社BAP社のためにデザインした家屋シリーズです。石こう型で量産され、販売物でなく、贈り物として用いられました。

※転写禁止

リサ・ラーソン「旧市街」
製造1963年-1978年
グスタフスベリ磁器工房 個人蔵
©Lisa Lason/Alvaro Campo

ストックホルム最古の地区にある17-18世紀の家々のファザード(正面)を描写したレリーフ作品。

リサ・ラーソン「薄茶色の家屋」
1980年代から1990年代
グスタフスベリ磁器工房 リサ・ラーソン蔵
©Lisa Lason/Alvaro Campo

【4.丸形からのインスピレーション】
陶器が丸くなるのは、自然なことです。つくりだされるものは、すべて丸みを帯びています。リサ・ラーソンが塑像を制作する時は、初めに丸みを帯びた形の粘土や、手か延べ棒で伸ばした粘土から作り始めます。シンプルで均一な円環というのは、その中に細かく表現豊かな造作を施すのに効果的なフレームとなります。1960年代末には、ユニークなアトリエ作品にトリやチョウのモチーフがあしらわれ、丸形シリーズとして量産化されました。

リサ・ラーソン「レリーフ(トリのモチーフ)/丸形シリーズ」
製造1969-1972年
グスタフスベリ磁器工房 リサ・ラーソン蔵
©Lisa Lason/Alvaro Campo

【5.マスメディアの中のリサ・ラーソン】
リサ・ラーソンが1950年代中頃にデビューを飾って以来、彼女の作品や生き方はマスメディアの注目を集めてきました。スウェーデンのマスコミは、彼女の暮らしぶりについて取材し、数えきれないほどのインタビュー記事や展覧会レビューを掲載しました。その中から、雑誌や広告資料、報道写真を選んで展示します。

【6.初期の作品(学生時代のリサ・ラーソン)】
リサ・ラーソンは1950年代初頭、ヨーテボリでの学生時代に作陶をはじめます。通っていたデザイン工芸学校(現HDKヨーテボリデザイン工芸大学)では、陶器のフィギュアや器を制作していました。本展覧会では、1950年代のスカンジナビアモダニズムの特徴である有機的かつ幾何学的な模様を使った装飾性豊かなミラーフレームを紹介しています。そのほか、大学在学中に制作した作品を紹介します。

【7-1.レア&ユニーク:希少なるユニークピースの数々】
リサ・ラーソンはすでに1950年代から有名な量産性モデルのシリーズと並行してユニークなアトリエ作品を制作していました。その中には、少し変わった作品もたくさん含まれています。リサ・ラーソンは、1966年から1967年にかけてカリフォルニア大学バークレー校で陶芸を教えていた陶芸家ピーター・ヴォ―コスの特別学生となりました。その頃制作された≪枝付燭台≫やグスタフスベリ磁器工房で制作した燭台を合わせて展示します。

【7-2.レア&ユニーク:動物たちは友達!】
リサ・ラーソンは、さまざまな種類の動物からインスピレーションを得てきました。それらについては特殊な動物作品群として1960年代末からグスタフスベリ社のアトリエでモデリングを開始、その後フリーになった後も自宅のアトリエで空想上の動物フィギュアのユニークピースを制作しました。本展では、その中から19点が展示されます。まさに、これまで紹介されることのなかったリサさんの新たな一面といえるでしよう。

リサ・ラーソン「金のヒレを持つサカナ(ユニークピース)」
1990年
リサ・ラーソンアトリエ
©Lisa Lason/Alvaro Campo

リサ・ラーソン「トリの器(ユニークピース)」
1982年
リサ・ラーソンアトリエ
©Lisa Lason/Alvaro Campo

【7-3.レア&ユニーク:ひとの器】
リサ・ラーソンは、食べ物や液体を入れておく器としての容器、そして経験や感情を入れておく器としての人間の体、この二つの類似性にしばしばインスパイアされてきました。本展では、リサ・ラーソンがユーモラスなタッチで容器と体を一体化させて作ったいくつかのシリーズ作品を紹介しています。

【7-4.レア&ユニーク:幼少期】
陶芸家としての創作活動を通じて、リサ・ラーソンは子どもたちと彼らの世界に対して特別なまなざしを向けてきました。彼女は子ども一人ひとりの特徴を明確に表現しています。

【7-5.レア&ユニーク:瞑想】
リサ・ラーソンが好んで制作してきた思慮深い表情をたたえた人物像も彼女の芸術作品には数多く含まれています。このセクションの作品の多くは、リサ・ラーソンがグスタフスベリ社のアトリエで制作したものですが、ストックホルムのナッカ市の自宅のアトリエ、マグレヘムのサマーアトリエで制作されたものもあります。

【7-6.レア&ユニーク:ストレッチ】
この章では、動きのある人々をモチーフにした作品を紹介しています。ヨガに関心をもっており、実際にヨガを行った彼女自身の経験が、こうした作品を制作するひとつの発想源になっています。

【7-7.レア&ユニーク:情景】
リサ・ラーソンの作品やレリーフの中には、体や手のほんの些細な動きだけで、ドラマチックな雰囲気を効果的につくりだしたものがたくさんあります。登場人物の間の凝縮された思いや、映画や演劇のワンシーンを表す作品は、観る者を魅了します。

【7-8.レア&ユニーク:器の装飾】
リサ・ラーソンの器や塑像には、しばしば線刻模様や型押し模様が施されています。彼女のやり方として、陶器の表面には力強さが表れていて、多くの場合フォルム自体はシンプルですが、細部の装飾に富んでいます。

リサ・ラーソン「壺(ユニークピース)」
1992年
マグレヘムのリサ・ラーソンサマーアトリエ
©Lisa Lason/Alvaro Campo

【8.新しい素材への挑戦】
リサ・ラーソンは陶芸家ですが、今日までさまざまな企業とコラボレーションして、異なる素材を用いて製品を作ってきました。すでにグスタフスベリ社でデザイナーとして働いていた頃から、リサ・ラーソンはフリーランス作家として他のデザイン会社とも仕事を始めていました。1970年代末、リサ・ラーソンはスカンディア・プレゼント社のために小さなブロンズ塑像のシリーズをデザインしました。この他、ロイヤル・クローナ社のガラス作品を展示します。

【9.リサとグンナル—芸術家同士の語らい】
リサ・ラーソンはおよそ70年にわたって、画家でありグラフィック・アーティストでもあった夫グンナル・ラーソンと芸術に関する対話を密に重ねてきました。1952年に結婚してから2020年にグンナルが亡くなるまで、二人は一緒に暮らし、共に仕事をしてきたのです。ここで展示する両アーティストによる作品群は、二人の間に存在した素晴らしい協調性を見出す良い機会を与えていると思います。

グンナル・ラーソン「人物像(ユニ―クピース)」
1967年
グンナル・ラーソンアトリエ
©Lisa Lason/Alvaro Campo

グンナルは、1966年から1967年にかけてリサとともにカリフォルニア大学バークレー校で陶芸家ピーター・ヴォ―コスの特別学生として陶芸を学び、リサと同様に陶器やガラスの作品を制作するようになりました。この作品から、画家でありグラフィック・アーティストであったグンナル・ラーソンも土を造形の素材とするピーター・ヴォ―コスから大いに刺激を受けたことが伺えます。

 

★「リサ・ラーソン展 知られざる創造の世界-クラシックな名作とともに」出品作品リスト(PDF)

 

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(※高校生・大学生の方は必ず学生証をご提示ください。学生証のない方は一般料金となります。)

 

【関連企画】
■信楽高原鐵道ラッピング列車の運行
 展覧会開催を記念し、リサ・ラーソンの代表作である動物シリーズをはじめとした作品を車内外にデザインしたラッピング列車を信楽駅―貴生川駅間にて運行します。
 ・運行期間:令和6年1月9日(火)~5月26日(日)
■トレイン&ミュージアム共通チケットの販売
 展覧会の入場券と信楽高原鐵道信楽駅-貴生川駅間フリー乗車券がセットになった共通チケットを販売します。
 ・価  格:1,580円(税込)(乗車券860円+展覧会入場券720円=1,580円)
 ・発売開始:令和6年2月1日(木)より
 ・有効期間:令和6年2月1日(木)~5月26日(日)
 ・販売場所:①信楽高原鐵道 信楽駅
       ②滋賀県立陶芸の森 陶芸館 ミュージアムショップ 3月2日(土)より
■ギャラリートーク ※申込不要・要⼊場券
 2024年3月24日(日)⇒4月7日(日)へ延期、4月28日(日)、5月12日(日)
 *各日程とも13時30分~⇒16時~に変更(40分程度)
■ミュージアムショップ/リサ・ラーソングッズが大集合
 スウェーデンから届いた陶器や雑貨、展覧会限定グッズもお見逃しなく!
■ここでも見られる!陶芸の森コレクション展~北欧の現代陶芸−うつわの造形美展
 陶芸の森の創作研修館で制作されたフィンランド、スウェーデン、デンマークなど現代作家らの作品を展示します。
 ・会期:2024年3月16日(土)~5月22日(水)
 ・会場:甲賀市水口歴史民俗資料館