陶芸の森では、平成29年度より国内のアーティスト・イン・レジデンス運営団体、研究者の方々と連携しアーティスト・イン・レジデンス研究会を開催しており、今回で通算6回目の研究会となります。
過去5回については、連携の強化と併せて評価基準、評価軸。また、運営課題の解決に向けた研究をおこなってきました。
そのことをベースに、今回は「現代陶芸」の現場との関係性で「レジデンス」について議論してみようと考えています。
令和3年 3/6(土)〜7(日)
開催場所滋賀県立陶芸の森 信楽産業展示館ホール
※参加を希望される方は、このページ末尾の「問合せ先」にメールにて申し込んでください。
ただし、新型コロナウィルス感染症の流行状況により、オンライン等で実施、場合によっては中止する場合があります。
テーマ今回は、アーティスト・イン・レジデンスに求められている期待値について、現代陶芸の作家、評論家であり大学、産地という現場で指導的立場でいらっしゃる3人とレジデンスの運営研究者を交えて以下のポイントを参考に意見交換をおこないたいと考えます。
13:20~13:30
開会あいさつ 松井利夫(陶芸の森館長)
テーマの設定について 杉山道夫(陶芸の森事務局次長(技術)兼創作研修課長)
13:30~14:10
「(仮)アーティスト・イン・レジデンスとアーティストのキャリアアップ」
外舘和子(多摩美術大学教授)
茨城県陶芸美術館主任学芸員等を経て多摩美術大学教授・愛知県立芸術大学客員教授。英国テート・セント・アイブス『Kosho Ito Virus』(2002)をはじめ、国際交流基金海外巡回展『Handcrafted Form』(2005‐19)、米国スミス・カレッジ美術館『Touch Fire』(2009)、独フランクフルト工芸美術館『WAZA』展会期中の講演「Creative Tradition」(2011)など、国内外の美術館・大学等で展覧会監修、図録執筆、講演を行う。また、韓国国際陶磁ビエンナーレ審査員(2017及び2019)、第4回金沢世界工芸トリエンナーレ審査員(2019)ほか様々な公募展の審査員を務める。
主書に『日本近現代陶芸史』(阿部出版、2016)、『Fired Earth, Woven Bamboo:Contemporary Japanese Ceramics and Bamboo Art』(米ボストン美術館、2013)など。『炎芸術』「時代でたどる日本の陶芸」、『毎日新聞』「工芸の地平から」(奇数月第2日曜朝刊)を連載中。
14:10~14:50
「(仮)大学教育とアーティスト・イン・レジデンス」
池田晶一(金沢美術工芸大学教授)
国際陶芸アカデミー (INTERNATIONAL ACADEMY OF CERAMICS)会員、デザイン学会会員、環境デザイン学会会員
1966.6 | 京都に生まれる |
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1993~1999 | 岡山県立大学 デザイン学部 (セラミック)助手 |
1999~2014 | 日本福祉大学 情報社会科学部〜健康科学部、准教授〜教授<2010~> |
2009 | 学位 博士(芸術)取得 <金沢美術工芸大学> |
2009 | 滋賀県立陶芸の森 アーティスト・イン・レジデンス ゲスト・アーティスト |
2014~2017 | 金沢美術工芸大学 工芸科、准教授〜教授<2017~現在> |
2010 | 滋賀県立陶芸の森 ガーデンファニチュアー |
2014 | 金沢駅西口広場 モニュメント制作 |
その他モニュメント、パブリックアートの制作など多数
グループ展、個展など多数開催
15:00~15:40
「(仮)産地とアーティスト・イン・レジデンス」
中島晴美(多治見市立陶磁器意匠研究所所長)
1950 | 岐阜県恵那市に生まれる |
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1973 | 大阪芸術大学デザイン科 卒業 |
1973~76 | 信楽にて作陶 |
1976~03 | 多治見市陶磁器意匠研究所 勤務 |
1992 | 国際陶芸学会(I.A.C)会員 |
2003~16 | 愛知教育大学 教授 |
2016~ | 多治見市陶磁器意匠研究所 所長 |
招聘・制作 | |
2000 | 滋賀県立陶芸の森創作研修館 |
2001 | European Ceramic Work Center(オランダ) |
2019 | 上虞青現代国際陶芸センター (中国/上虞) |
15:50~17:00
「ディスカッション」
菅野幸子(アーツ・プランナー/リサーチャー AIR Lab)
ブリティッシュ・カウンシル東京、独立行政法人 国際交流基金を経て現職。大学でも講師(国際文化交流論)を務める。グラスゴー大学美術学部装飾芸術コースディプロマ課程修了。東京大学大学院人文社会系研究科文化資源学研究(文化経営学専攻)博士課程満期退学。専門領域はアーティスト・イン・レジデンス、英国の文化政策、国際文化交流。秋吉台国際芸術村アーティスト・イン・レジデンス等選委員、横浜市創造界隈形成推進委員、京都府アーティスト・イン・レジデンス検討委員会委員なども務める。主な著作として、「現代アートとグローバリゼーションーアーティスト・イン・レジデンスをめぐってー」(『グローバル化する文化政策』佐々木雅幸・川崎賢一・河島伸子編著、 勁草書房、2009年)、「英国の行政改革が文化政策に与えた影響―政府と文化セクターとのアームズ・レングスの原則の変化」(『行政改革と文化創造のイニシアティヴ 新しい共創の模索』小林真理編、美学出版、2013年)
日沼禎子(女子美術大学教授)
女子美術大学芸術学部教授。AIRネットワークジャパン事務局。
国際芸術センター青森(ACAC)学芸員、さいたまトリエンナーレ2016プログラムディレクター等を歴任。AIRを中心とした展覧会、アートプロジェクト、アーティスト支援を行う。現在、宇部市・緑と花と彫刻のミュージアム(ときわミュージアム)アートディレクター(2017~)としても活動を行う。
9:30~12:00
参加する各団体からのプレゼンテーション及びそのことを踏まえての意見交換をおこなう。 特に今年度は、世界的な新型コロナウイルス感染症流行のため、多くの団体の危機管理能力が問われる一年になった。今回は、このような状況の中での対応なども含めた形で意見交換を行いたい。
13:00~14:30
ディスカッションを継続
14:30
終了
各アーティスト・イン・レジデンス機関の紹介
益子国際工芸交流館/益子陶芸美術館
Mashiko Arts & Crafts Residence / Mashiko Museum of Ceramic Art
〒321-4217 栃木県芳賀郡益子町益子3021 Phone. 0285-72-7555 Fax. 0285-72-7600 http://www.mashiko-museum.jp/
「益子国際工芸交流事業」は、今からおよそ100年前、陶芸家・濱田庄司(1894-1978)がバーナード・リーチ(1887-1979)と共にイギリス南西部の港町セント・アイヴスへ渡り、窯を築いた歴史を背景に2014年5月に始まりました。益子町と国内外アーティストの交流促進や、益子の陶芸(工芸)文化の共有を目指し、国内外工芸作家を招聘・公募し、滞在制作・記念講演会・制作実演などの交流事業や教育普及プログラムを実施しています。
京都芸術センター
Kyoto Art Center
〒604-8156 京都府京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町546-2 Phone. 075-213-1000 Fax. 075-213-1004 http://www.kac.or.jp
京都芸術センターは、多様な芸術に関する活動を支援し、芸術に関する情報を広く発信するとともに、芸術を通じた市民と芸術家等の交流を図ることを目的としています。具体的な事業として、展覧会、音楽、演劇、ダンス、伝統芸能などの舞台公演やさまざまなワークショップなどの事業のほか、制作や練習の場である「制作室」の提供、アーティスト・イン・レジデンスプログラムでの国内外の芸術家の支援などを実施しています。アーティスト・イン・レジデンスプログラムでは、ビジュアル・アーツとパフォーミングアーツの分野を隔年で募集する公募プログラムのほか、世界各地のアートセンター等と連携したエクスチェンジプログラムなども実施しています。
瀬戸市新世紀工芸館
Seto Ceramics and Glass Art Center
〒489-0815 愛知県瀬戸市南仲之切町81-2
事務局(問い合わせ先) (公財)瀬戸市文化振興財団
〒489-0884 愛知県瀬戸市西茨町113-3 Phone. 0561-84-1093 Fax. 0561-85-0415 http://www.seto-cul.jp/
瀬戸市新世紀工芸館では2000年より国内外の優れた陶芸・ガラス作家を招へいし、以来世界27ヶ国、67名の作家を受け入れてきました。招へい作家は、瀬戸市内に滞在しながら、作品制作をはじめ、スライドレクチャー、公開制作などに取組みます。
そのほか、瀬戸市民や瀬戸市および周辺地域で活動する作家等と関わる機会を提供することで、瀬戸、そこに住まう人々、歴史あるせとものの作風などを感じながら、作家が新たな作品を創造するサポートをしています。。
滋賀県立陶芸の森
The Shigaraki Ceramic Cultural Park
〒529-1804 滋賀県甲賀市信楽町勅旨2188‐7 Phone. 0748-83-0909 Fax. 0748-83-1193 http://www.sccp.jp/
滋賀県立陶芸の森創作研修館では、1992年の開館以来世界53ヵ国から陶芸家延べ約1250人を受け入れ、この信楽の地で自由に作品を制作する機会を提供してきました。カリキュラムのようなものはありませんから、創作研修館という「創作の場」で各自それぞれが自身のメニューで制作していただくことができます。
常時、作風や国籍などの異なる10人前後の作家が制作しながら交流を深めることで、刺激的な制作環境を提供しています。
2015年度より、文化庁の補助事業として海外のレジデンス機関との交換プログラム及びレジデンスの運営に関する研究会を主宰しています。
主 催公益財団法人 滋賀県陶芸の森
参加団体女子美術大学、益子陶芸美術館/陶芸メッセ・益子、京都市芸術センター、瀬戸市新世紀工芸館(予定)
お問合せ
公益財団法人 滋賀県陶芸の森 創作研修課
Tel. 0748-83-0909 e-mail. michio.sugiyama☆sccp.jp (←☆を@に変えてください)