窯の貸し出し
陶芸の森には、電気やガスの窯をはじめ、信楽焼の伝統の流れをくむ穴窯や登り窯があります。アーティスト・イン・レジデンス事業で使用したり、当館主催のイベントで使用したりしていますが、広く一般の方々も利用できます。
<申し込み方法>
窯業設備使用(電気窯)の注意事項
窯業設備使用(ガス窯)の注意事項
窯業設備使用(薪窯)の注意事項
を読んで、お電話にてお申し込み下さい。使用希望期間、希望の窯、素焼/本焼、フルネーム、お電話番号、住所などを伺います。届け出ている電話番号、住所が変わった場合、必ず申し出てください。
アーティスト・イン・レジデンス事業での月末の窯会議が終わってからの予約受付になります。例:5月に予約がしたい場合、4月末の窯会議以前に予約をすることはできません。窯会議の日付は毎月異なります。(時期によってはお貸しできない場合がございます)
申込先:陶芸の森 創作研修課 TEL 0748-83-0909
松薪は1束1,000円前後で販売しています(時価)。在庫に限りがありますので、事前にご相談ください。ご自身で持ち込んだ薪や雑木を使うこともできます。温度の上げ方の目安などについては、当館職員にご相談ください。
※上記表のガス窯は使用料とガス代を合わせた金額となっています。
※使用料について、県外居住者については、県内居住者の倍額となっています。
※ガス代等については、予告なく変更される場合があります。
貸し窯の種類
50キロワット 電気窯
床面: 150センチ(幅)×73センチ(奥行)
高さ: 123センチ
焼成温度: 1300度
*10kwと50kwの電気窯は同時に昇温できません。
10キロワット 電気窯
床面: 70センチ(幅)×47センチ(奥行)
高さ: 52センチ
焼成温度: 1300度
*10kwと50kwの電気窯は同時に昇温できません。
5キロワット電気窯(テスト窯)
床面: 30センチ(幅)×30センチ(奥行)
高さ: 32センチ
焼成温度: 1300度
*1250度まで約4時間で昇温可能なので、釉薬などの迅速なテストが可能です。
5.2立米ガス窯(シャトル式)
床面: 130センチ(幅)×210センチ(奥行)
高さ: 211センチ(アーチの天まで)
焼成温度: 1300度
信楽独特の大物づくりの伝統を、陶芸の森でも継承できるようにという思いも込めてつくられた窯です。
高さ2メートルあまりの大型作品まで焼成することができます。大型作品の窯詰め、窯出しにはフォークリフトを使用します。
また、棚板は105センチ×63センチという大型のものを使います。
陶芸の森のフラッグシップとも呼べるこの窯を使い、今まで多くの陶芸家が「やきものの大きさ」という課題に挑戦してきました。
0.8立方メートル ガス窯
床面: 85センチ(幅)×105センチ(奥行)
高さ: 111センチ(アーチの天まで)
焼成温度: 1300度
0.4立方メートルガス窯A
床面: 78センチ(幅)×65センチ(奥行)
高さ: 92センチ(アーチの天まで)
焼成温度: 1300度
0.4立方メートルガス窯B
床面: 58センチ(幅)×92センチ(奥行)
高さ: 72センチ(アーチの天まで)
焼成温度: 1300度
0.1立方メートル ガス窯
床面: 50センチ(幅)×44センチ(奥行)
高さ: 63センチ(アーチの天まで)
焼成温度: 1300度
穴 窯(大型)
信楽の標準的なかたちの穴窯です。 当館の穴窯では、今まで来館した多くの陶芸家が独自の焼き方を試み、多くの作品を生み出してきました。
信楽焼の特徴は、信楽特有の土味を発揮して、穴窯の焼成によって得られる温かみのある火色(緋色)の発色と自然釉によるビードロ釉と焦げの味わいと言えます。
それらに特色づけられ、土と炎が織りなす芸術として”わびさび”の趣を今に伝えています。
この”わびさび”の趣は、信楽焼ならではの素朴さのなかに、日本人の風情を表現したものとして、室町・桃山時代以降、茶道の隆盛とともに「茶陶信楽」として茶人をはじめとする文化人に親しまれ、珍重されてきた所以ともいえます。
穴 窯(小型)
小型の穴窯です。大きさは、約1.5立米で、粘土の量に換算して約200キロ分の作品を詰めることができます。
当館の標準的な焼き方では、3日かけて約150束の薪を使用します。
この窯でも小物を中心に、多くの陶芸家が作品を生みだしてきました。
穴 窯(ミニ)ビードロ窯
ビードロが出やすい形の小さい穴窯です。24時間ほどかけて焚きます。薪のみで焚く場合、薪は100束から必要です。
イッテコイ窯
薪窯の景色を比較的容易に得られる小さい窯です。火が窯内で折り返すため、「行ってこい」の名がつけられています。灯油と雑木で焚くことができます。
登り窯
歴史的には、穴窯が発展して、登り窯に変化していったとされています。
江戸時代には、商業の発達にともない、茶壺をはじめ、土鍋、徳利、水甕などの日常雑器が大量に生産されました。明治時代から昭和の中頃にかけては、新しく開発された「なまこ釉」を使った火鉢生産がはじまり、一躍全国の需要をまかなうほどに大きな成長を遂げました。
その他、神仏器や酒器、茶器などの小物陶器や壺、火鉢などの大物陶器が生産され、質・量ともに大きな発展を遂げた背景には、登り窯の存在があったと言えます。
陶芸の森の登り窯は、火袋を含めて焼成室が5部屋の、コンパクトな登り窯です。
各焼成室の大きさ、焼成時間、薪の束数は概ね以下のとおりです。
焼成時間 | 薪の束数 | |
---|---|---|
火 袋 | 約50時間 | 約150~170 |
一の間 | 約12時間 | 約50~70 |
二の間 | 約12時間 | 約50~70 |
三の間 | 約12時間 | 約50~70 |
四の間 | 約12時間 | 約50~70 |
この登り窯を、陶芸の森では、今までに近畿圏の美術系大学の学生による共同焼成や、日本工芸会近畿支部や信楽陶器工業協同組合青年部を対象とした、登り窯焼成の研修などに活用してきました。
また、変わった例では平成15年にゲストとしてお招きした、杉浦康益氏の大型作品「陶の石」を30点あまり登り窯で焼成しました。
この時は、1000束あまりの薪で各焼成室ごとに炭化させるという特殊な焼成方法を試みました。
金山再現窯
平成16年度から17年度にかけて3カ年計画で築いた窯です。
信楽町黄瀬地区で発掘された金山遺跡の2号窯を再現しました。
金山2号窯は、16世紀後半のものとされ、約23度の急勾配と分炎壁によって左右二つの焼成室を持つ特徴的な窯です。その後盛んにつくられるようになった、穴窯の原点と考えられています。 窯の完成後、試験的に焼成の際は燃料として、松のこわ板、あるいは松の丸太などを使用しました。