ABOUT ARTIST IN RESIDENCE陶芸の森アーティスト・イン・レジデンスについて

1.創作研修館でのアーティスト・イン・レジデンスとは


創作研修館では、1992年の開館以来世界各国から陶芸家を受け入れ、この信楽の地で自由に作品を制作する機会を提供してきました。
 カリキュラムのようなものはありませんから、創作研修館という「創作の場」で各自それぞれが自身のメニューで制作していただくことが出来ます。 常時10人前後の陶芸家・芸術家が制作しています。作風や国籍などの異なる方々との交流を深めることで、刺激的な制作環境をつくっていくことを期待しています。
 このレジデンス事業は、大きく二つにわかれています。
 一つめは、スタジオ・アーティストで、応募、選考のプロセスを経て当館で滞在、制作される作家の方々です。
 二つめは、ゲスト・アーティストで、陶芸の森が招聘した作家の方々です。また、ゲスト・アーティストについては、公募制と推薦制の二つの仕組みをもっています。

 多くの陶芸家たちと交流しながら、また、創作研修館の機材をフルに使いながら自分自身のレベルアップをはかってもらうということが、創作研修館のアーティスト・イン・レジデンス事業の考え方です。

 

2.アーティスト・イン・レジデンスの上手な使い方


 

まず、陶芸の森でつくりたい作品のイメージを明快にしてもらい、それをつくるのにどの程度の日数がかかるのかということを想定した上で、応募していただきたいと思います。
 応募以前にわからないこと、相談したいことがあれば遠慮なくお問い合わせください。職員がご相談に応じます。
 異なった環境で、使ったことのない設備機材を使って、普段と違うものをつくりたい。創作研修館には多くの国から様々な作風を持つ作家が来館しています。居ながらにして多くのことが学べます。窯にしても、多くの種類があります。「他の作家が焼いている窯にテストピースを入れる」などということも出来ると思います。土は、表現のバリエーションの豊かな素材です。ご自身が普段使っていない技法、材料をここでテストしておくのも良いかもしれません。
 当館のアーティスト・イン・レジデンスの特徴は、ご自身が滞在期間を選べるということです。原則、1 ヶ月から最長1年まで自由に選んでいただけます。できるだけ、集中して密度の濃い制作をすることが上手な使い方だと考えます。

3.産地としての信楽の魅力

 

信楽は、様々なやきものをつくっている産地です。また、様々な技術を持ったメーカーや作家が活動しています。
このような方々の技術に接する機会もあります。
 また、原材料がすぐ手に入るということも産地であるからこそです。また、長石などの採掘現場を見ることができるということも産地である信楽でのアーティスト・イン・レジデンス事業ならではかもしれません。

4.陶芸を核とした国際交流

 創作研修館では、1992年の開館以来、55 ヶ国から延べ1500人を超す陶芸家・芸術家を受け入れてきました。創作研修館で制作をすると、いろいろな国の、文化的なバックグランドの違う作
家と一緒に制作することになります。スタジオでは、日本人も片言の英語でコミニケーションをとっています。陶芸の森での滞在中、国際性を身につけるきっかけとしてください。国際性とは、かならずしも語学能力のことではありません。相手を理解しようとする努力だと考えてください。

5.陶芸の森での「やきもの」をテーマにした各種の事業

 陶芸の森では、アーティスト・イン・レジデンス事業の他に、陶芸館で開催する展覧会、信楽産業展示館で開催している陶器業界の展示会、そのほかに一般向けのやきもの講座、セラミック・アート・マーケットなどのイベントや、スタジオ関係者によるレクチャーやワークショップをおこなうオープン・スタジオ、登り窯の焼成など年間とおして多くの事業を開催しています。