陶芸館ギャラリー企画 コレクション展Part2 「華開く近代京都の陶芸-富本憲吉と河井寬次郎」展
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期間:2024年04月27日(土) - 2024年05月26日(日)
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場所:陶芸館ギャラリー
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主催:滋賀県立陶芸の森
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開館時間:9時30分~17時(入館は16時30分まで)
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観覧料:無料
近代の窯業・工芸界は、明治政府による文化・経済の近代化が急速に進むなか、機械化による大量生産の普及に伴い、手仕事の地方文化が衰えていました。また、人道主儀・個性尊重という時代思潮を背後に、「個人」作家が台頭する一方、東洋と西洋の再定義や美術と工芸などを取り巻く様々な思想・理論が芽生えた時代でした。
1924年に京都において民藝の重要メンバー、柳宗悦・河井寬次郎・濱田庄司の出会いと交流が始まります。彼らは無名の工人・民衆が手がけた日常のものに宿る美を「民衆的工藝」として評価し、「民藝」という思想を生み出しました。そして国内各地の民藝品の調査・収集すると同時に、その美しさを広めるため、1926年に柳宗悦・河井寬次郎・濱田庄司、富本憲吉が連名で「日本民藝美術館設立趣意書」を発表しました。しかし、両者は民藝運動を展開していくなかで、個人作家としての「創作」に対する価値観の違いから袂を分かちます。そして、それぞれ独自の作風を確立し、近代陶芸の巨匠として大きな足跡を残しました。
本展は、近年当館に寄贈された逸品の中から、多様な表現が広がった近代陶芸を2回に分けて紹介する企画です。パート2となる今回は、近代を代表する陶芸家で、信楽ともかかわりの深い河井寛次郎と富本憲吉の京都時代に焦点を当てて、華開いた近代を見つめ直します。
①河井寬次郎「白地草花図扁壺」c.1939/昭和14年頃、令和4年度寄贈作品
②河井寬次郎「呉須筒描扁壺」c.1934/昭和9年頃、令和5年度寄贈作品
③河井寬次郎「呉須辰砂香合」c.1930/昭和5年、令和5年度寄贈作品
④富本憲吉「鉄描銅彩竹林月夜文皿」1950/昭和26、令和3年度寄贈作品
⑤富本憲吉「鉄描銅彩野葡萄文壺」1929/昭和4、令和3年度寄贈作品
⑥富本憲吉(デザイン)「色絵染付角盒・陶筥・蓋物」1960s後半(デザインc.1957)、令和4年度寄贈作品